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ぺんつくが生まれるまで(2) [小話]

 結婚を機に愛知県は岡崎市に住むことになりました。岡崎で仕事を探し、厨房の調理員として新たな生活を始めました。

 主な仕事は献立の作成、昼食の調理、食材の発注、後片付けです。ほとんどが時間に追われる立ち仕事でかなりハードですが、何かを作る仕事はやっぱり面白いです。紙の上で考えたメニューが、彩よく盛り付けられて提供され食べる人が喜んでくれるから、毎日の仕事は楽しかったです。
ちなみに、この施設は食べることを大切に考えていて、食材にかけるお金が少ないと、「ちゃんとお金を使って料理をつくって!」と言ってくれるところでした。

 ところで、食品を扱うに当たって食中毒はもちろんですが、異物混入もあってはなりません。なので、厨房には不必要なものを持ち込まないことが原則です。ただ、食材の管理や喫食者の人数変更など、随時いろんな情報が変更されます。それを管理するため、業務用冷蔵庫にホワイトボードを張り付けて、そこに変更事項を書いていきました。また、各個人のオーダーやレシピ用の記録を取るのに、メモと鉛筆を作業台の上に設置されているスチール台に置くこともありました。

異物混入の原因になるから持ち込みたくはない・・・、だけど持ち込まざるを得ない・・・。

ホワイトボード用のマーカーにはマグネットが付いていて、張り付けられます。でも、ずっと使っていると磁石がポロッととれちゃうんです。「接着剤なんてものが厨房にないから、とりあえずセロハンテープ巻いとけ」みたいな応急処置が恒久措置になる。マーカーが付かなくなったら磁石付のマーカーを買わないといけない。
スチール台に置いた鉛筆は、作業終了後に無くなってないことを確認。

このときも思いました。
ただのマーカーを冷蔵庫にくっつける道具はないかな? 鉛筆をスチールにくっつける道具はないかな?

しかし、仕事と家事に忙殺され、ペンをスチールにくっつける道具を探し求めるまでは至りませんでした。

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